【注意喚起】米国非移民ビザの予防的取消し(Prudential Revocation)について

米国国務省は、既に発給した非移民ビザを、ビザ保有者への事前聴聞や有罪判決を待たずに取り消す場合があります。この措置は「Prudential Revocation(予防的取消し)」と呼ばれます。

最近、米国領事館から、移民国籍法(INA)221条(i)に基づきビザを取り消したとのメール通知を受けたという報告が寄せられています。米国移民法弁護士協会(AILA)も、2025年1月1日以降に行われた予防的取消しの事例を収集しています。

Prudential Revocationとは

INA 221条(i)は、領事官または国務長官に対し、発給済みビザをいつでも裁量で取り消す権限を認めています。22 CFR §41.122も、非移民ビザの取消しおよび暫定的取消しを規定しています。

国務省は通常、ビザ発給後にビザ保有者の適格性へ疑義を生じさせる情報を得た際に、予防的取消しを行います。逮捕情報が契機となる例が知られていますが、有罪判決は必須ではありません。また、通知に具体的な取消理由が記載されない場合もあります。

取消通知を受けたというだけで、入国不適格性が最終的に認定されたとは限りません。しかし、取消しが撤回されない限り、そのビザを米国渡航に使用できません。

米国外で通知を受けた場合

通知時に米国外へ滞在している場合、通常は通知記載の取消日からビザが無効になります。パスポート上のビザに「REVOKED」の印や取消線がなくても、取消しの効力は変わりません。

国務省のデータベースに取消しが登録された後は、そのビザを使用して航空機へ搭乗したり、米国への入国を申請したりしないでください。将来渡米するには、多くの場合、新しいビザ申請と領事面接が必要です。

通知にパスポートの提示を求める記載がある場合も、領事館へ持参または送付する前に、発給元の米国大使館・領事館へ提出方法を確認してください。

米国内で通知を受けた場合

米国内に適法に滞在している間にビザが取り消されても、ビザ取消しだけで直ちに現在の非移民資格が失われるとは限りません。ビザは米国への入国を申請するための文書であり、米国内の滞在資格とは別に扱われます。

ただし、米国を出国した後は、取り消されたビザで再入国できません。滞在延長、資格変更、海外出張、家族の渡航予定などにも影響し得るため、出国前に個別の助言を受ける必要があります。

通知を受けた際の対応

  1. 取り消されたビザを使用しない

既に予約済みの渡航があっても、そのまま搭乗または入国を試みないでください。

  • 通知の真正性を確認する

送信元、宛先、送信日時、通知本文を保存してください。不審なリンク、送金要求、個人情報の入力依頼には注意が必要です。

  • パスポートを直ちに送付しない

発給元の大使館・領事館へ、提出の要否と方法を確認してください。

  • ビザ発給後の経歴を整理する

逮捕、起訴、DUI、交通違反、入国・税関上の問題、ESTAまたは他国ビザの申請、勤務先・住所・氏名の変更、ソーシャルメディア上の情報などを確認します。本人に心当たりがない場合には、同姓同名者との誤認や記録上の問題も検討対象となります。

  • 再申請前に方針を検討する

取消理由を確認しないまま新たなDS-160を提出すると、説明の不一致や重要情報の記載漏れが生じるおそれがあります。取消通知、過去の申請書、パスポート、渡航歴などを整理した上で、再申請の時期と説明内容を検討してください。

領事館は取消理由を教えてくれるか

領事館へ照会しても、調査情報、法執行機関の記録、セキュリティ情報などを理由に、詳細が開示されない場合があります。取消通知の文面だけでは原因を特定できない例もあります。

そのため、過去のビザ申請、ビザ発給後の出来事、米国および他国への渡航歴を総合的に確認する必要があります。新たな申請では、領事官が懸念している可能性のある事項へ正確かつ一貫して回答しなければなりません。

早めの確認を勧めます

予防的取消しは、逮捕歴がある人だけに関係する制度ではありません。具体的な理由が通知されず、本人が原因を把握できない場合もあります。

取消通知を受けた方、または渡航直前にビザの有効性へ疑問が生じた方は、現在のビザを使用せず、個別の事情を確認してから次の対応を決めてください。

本記事は一般的な情報を提供するものであり、個別案件に対する法律上の助言ではありません。法令、国務省の運用および領事館の対応は変更される場合があります。

参考資料

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